井出治氏のフリーエネルギー

 
 
 
 
エマモーターについて
 
私は実家の愛媛県松山市に帰省するたびに、同じく愛媛県宇和島市に住んでおられた清家さんの実家を訪問した。そして研究所となっている部屋に、さまざまな実験装置や測定器とともに、UFOのような外観をしたG-ジェネレータの試作モデルがあった。私は現物の実験装置を見た時はある種のショックに襲われた。つまり清家さんの理論は『宇宙の4次元世界』という本の中だけではなかったのである。この世にUFOエネルギーなどという、およそ信じられないものを真剣に追求している研究者が現実に存在したのである。それは私が大学を卒業して間もない1972年頃であったが、そのことは驚きであるとともに、何とも言えない新鮮な感覚で満たされたことを覚えている。まるで自分の頭の上にある天上が吹き飛び、ぽっかりと宇宙が見えた感じであった。

   当時、日本は絵に描いたような経済至上主義社会であり、物と金がすべてという中で動いていた。私はすでに、科学および社会システムのすべてに対して強い閉塞感を感じていた。それは新しい光が見えず、どの方向に動いたらいいのかわからない状態だ。現在ならそのような人も多いと思うが、当時から40年近く経っても、この閉塞感の根源を成すものは全く改善されていない。その原因は、「世界のエネルギー源」にあるのだ。

   ところでG-
ジェネレータとは何かというと、Gは重力場(gravitational field)、ジェネレータは発電機のことであり、「重力場発電機」という意味である。つまり清家理論によって重力場という空間エネルギーを、直接電気エネルギーに変換しようという試みである。清家さんの重力研究所訪問がきっかけで、私も自分で実験装置を試作することになった。それは真空管を6本使った独自の設計によるものであったが、その結果、通常の電気の常識では理解できない、実に不思議な現象を発見した。その報告が、清家さんが発行する会報に掲載された。そしてその報告を見た東京の田熊総合研究所という会社の山岡さんが、部下5人を引き連れて私の実験装置を見学に来られたのだ。山岡さんという部長さんも、常識的な会社員ではなかった。なぜなら東京から京都にある私の下宿までわざわざ見に来られたわけで、それも当時は何者ともわからない、一介の若者が作った実験装置を見るためにであるから、その好奇心もすごいものだ。

   山岡氏一行が帰られた後、私に送ってくれた情報によって、私は再び大きなショックに襲われることになった。それが「エマモーター」の情報であり、米国からの驚愕の情報であった。それによるとカリフォルニア州ロサンゼルスで、エマモーターという、まるで永久機関のような動きをするモーターが開発されているということであった。このモーターは一度回転を始めると、あとは電気を再生しながら、何も消費することなく永久に回転を続けるというものであった。「ついに出るべきものが出た、清家理論がアメリカで立証された!、先を越されたか!」と私は悔しい思いに駆られた。しかし同時にある考えが頭をよぎり、「いや待てよ、その情報がもし本物ならこのモーターを追求すれば、より早くUFOエネルギーに到達できるかもしれない・・・」、 私は再び、頭の舵取りを迫られることになった。

   「エマモーターは運転後、本体が冷却した。」
   これが、見学前まで何も期待していなかった見学者たちの結論であった。運転後、本体は熱くならないどころか、内部のコイルには結露による水滴ができていた。電気を通じて回転させた後に冷えるモーターなどというものは、今現在でも地球上に存在しない。科学の常識的な理論からもこれはあり得ない現象であるが、この現象を日本から訪れた調査隊のメンバー全員が確認したのであった。本物のフリーエネルギー装置は、やはり不可思議な動きをするようである。この情報を聞いた瞬間、私はあることを思い出した。それはUFOが飛び立つとき、周辺にあるコイルが赤く輝きながらも、まったく熱を持たないという状況のことだった。その描写は、ジョーシ・アダムスキーの著書『空飛ぶ円盤搭乗記』(角川春樹事務所)にある。エマモーターの技術とUFOの技術には、ある種の共通点があるようだ。運転後に冷えるモーターの話を聞いた私は、全身がブルッと震えた。そしてその後、私は完全にエマモーターの不思議さにのめりこむことになった。

   このエマモーターの開発者であるグレイ氏は調査隊の一人を部屋に呼び、密かにある設計図を見せたそうである。その設計図は、UFOの設計図であった。グレイ氏はすでにUFOを試作することを考えていたようで、そんなエキサイティングな話が、40年くらい前の1973年頃にはあったのである。科学というものは、年代とともに進歩するとは限らない。不思議な動作をするエマモーターは、構造も常識離れした不可解なもので、高電圧を発生し、火花放電を伴いながら回転するのだ。電気の常識から見れば、こんな非効率な構成のモーターはない。ところがある回転数以上になると、この火花放電が何か未知のエネルギーを発生する源になるのである。火花放電を発生しながら回るモーターは、ますますSF的な魅力を発散し、私の心をわしづかみにしたのだ。


   フリーエネルギーを最初に開発したのは、ニコラ・テスラであると言われている。
   科学界の超人であるニコラ・テスラ。しかし、彼が残した情報は完全な証拠としては残されていない。おそらくテスラの宿敵であったエジソンや、その周囲の関係者たちによって、隠蔽され消滅させられた可能性が高いと思われる。少なくとも現在、我々が見ることのできるテスラの論文や特許に関する資料には、それを示すものはない。先に述べたエマモーターは、テスラの研究が基礎になっているという話であった。エマモーターは私に、研究の強力な動機づけを与えてくれたマシンであり、私は一瞬だけ現物を見ることができた。しかしその後、イブグレイ社とともに、まるで煙のごとく姿を消してしまったのである。目の前に現れたと思ったら、その正体を見極める前に、フッと通り過ぎて行ってしまった。それはまるで私にとってUFOのような振る舞いであった。そして真実らしいと思われる情報の糸を手繰(たぐ)ると、そこはいつも崖っぷちにたどり着いたような経験ばかりであった。

   普通の科学者であれば、「永久機関」のような動きをする機械の情報を聞くと、即座に頭から否定するものだ。なぜなら、高校や大学で教わった物理学に「基本則」というものがあるからである。それは「エネルギー保存則」のことで、「エネルギーは(空間から)湧いてこない」ということで、言い換えると「永久機関はない」という法則だ。現在の科学はこの原理の下に置かれている。これを真っ向から否定する現象が、空間からエネルギーが湧き出すフリーエネルギー技術であり、つまりUFOの技術ということになる。ここに一般の科学者が「UFOのようなものは存在しない」、つまり「遠い何万光年の彼方の天体から飛んでこれるような技術はあり得ない」と彼らが断定する理由があるのだ。

   私は、科学者に対して哀れな人種というイメージを持っている。
   なぜなら彼らは、人間が勝手作った架空の考えである規則に縛られているからである。これは何も科学だけの世界のことではなく、およそ人間が作った法則や規則などというものに絶対的な真実などないのである。現在一見真実に見える法則であっても、未来においては必ずほころびが現れるものであり、今あるすべてのことにも言えることであるが、特に科学の法則というものは実にもろいものなのだ。なぜならたった一つの例外が見つかれば、それで否定されてしまうからである。つまり今、目の前にUFOが降りてくれば、即これまでのエネルギー保存則は否定されるだろうし、少なくともその経験者にとっては、すでに否定されたと同然のはずだからである。


           「フリーエネルギー、UFO、第3起電力で世界は激変する」 
                   井出 治著     ヒカルランド

                          抜粋
http://8729-13.cocolog-nifty.com/blog/2012/03/post-b958.html