書籍紹介 『奪われる日本』関岡英之著 2006年

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2006年

≪目次≫ ※ページの表示は省きます

第一部   検証 「平成の大獄」

 第一章       郵政 ――アメリカの狙いは何だったのか

 第二章    『年次改革要望書』はどう始まったか

 第三章    前自民党員はなぜ反対したのか

 第四章    医療――世界がうらやむ皆保険をなぜぶっ壊すのか

第二部    節度も品格もなき時代

 第五章    M&A推進派はなぜ「日本」を売りたがるのか
         
 第六章    悪徳業者はなぜ世に蔓延るようになったのか

 第七章    談合はいつから犯罪になったのか

 第八章    あなたはほんとうに訴訟社会を望んでいるか

 第九章    日本政府は米国に何を「要望」しているか

第三部    皇室の伝統を守れ!                

 第十章    万世一系を何故まもるのか

 第十一章   こどもたちは知りたがっている


あとがき

  


この本は2006年に上梓された本です。

 郵政民営化を目的に自民党小泉政権が圧勝したのはまだ記憶に新しい。日本中が郵政民営化に熱狂していた時、本当は日本に何が起こっていたか、ということが克明に綴られています。
 この本はいわば、日本の時を切り取った歴史書です。その頃、私はこういう事をまったく理解してはいなかった。ホリエモンがマスコミで取り上げられ、時の人となっていた頃です。
 その頃を遡って理解出来る本です。過去の事が連綿と今に繋がっているのですから、今の事は過去を見ないと理解できないのではないかと思います。

 小泉劇場から少し経った今、振り返り理解できて大変にありがたい本です。
古い情報ではなく、今につながるTPPを理解するには重要な内容であり、日米関係を理解するには最適な本と言えます。国民皆保険や簡易保険の市場開放、つまり、米国へ渡す準備はこの頃から布石を打たれているのです。いや、もっともっと以前からでした。その様子が克明に綴られています。
そして、関岡氏の品格ある文章で綴られています。公開文書だけで検証してあるので、誰でもそのソースは確認出来るということです。何かの陰謀論などではない、事実を日本国民に知らしめるための本です。

 米国は日本に、規制緩和を押し付け、それを進めてきた日本側の体制。これは驚愕するものでした。なんと、小泉政権になる以前から。日本企業を米国の投資家達に売れるように法律の改正や、プロパガンダで推し進めていた人物は誰なのか?この本に書かれています。知らなかった人がほとんどでしょう。現在の日本企業の株主達が外国人になった準備は水面下で整えられていたのです。

 しかし、では、日本側は何を米国に要望し、米国はどのようにそれに応じているのか?それは第九章に綴られています。米国の恥もない狡猾な姿が事実として現れているのです。この事実は多くの国民が知らねばならない事だと思います。日本国を売る人物の行い。そして、米国のこの恥もない狡猾極まりない行為は、今に始ったことではなく、戦前からずっと同じです。節度も品格もない。性質は変わらないのです。
実際はこの本は翻訳されて然るべきなのではないか、と思います。



 何故なら、アメリカが日本を蹂躙したところで、アメリカの国民が楽になるわけではありません。アメリカの国民も洗脳されているのです。自国が日本に何をしているのか知り、そしてアメリカ国民も自分達の生活の安全や教育を正しくより良く構築されなければならないでしょう。
 日本の国民皆保険制度は世界に誇るべき制度であります。アメリカは日本国民のすばらしいセーフティネットを壊し、カネを取ろうと何年もかけて画策しているのです。先日、オバマケアは否決されました。日本は日本国の制度を壊し、アメリカのような熟していない最低な制度に合わせる必要は全くないと思います。

 なぜ、世界一最低な医療制度のアメリカの言う通りにしなければならないのでしょう。アメリカの国民がどれほど苦しめられているか、日本の国民は知らなければなりません。日本の国民も、しかと眼をあけて日本国が何をしているか監視し、間違った方向に行こうとするのを止めなければならないと思います。
アメリカが日本の制度を導入する邦画良いにではなかと思いますけどね。

  



 この本は絶版になっていますが、古本で購入できますので、是非お読みになられることを薦めます。

 できれば、帯付きで購入なさいませ。表紙の■のデザインが●になっています。
古本なので、帯付きは少ないとは思いますが・・・。